ブレーキディスク鋳造法

現代のブレーキディスクに求められている品質要求事項は、かつてないほどに厳しくなっています。この主な理由は、最終製品の要求特性の高まりにあります。例えば、より重い車両重量、よりパワフルなエンジン、そしてより高性能なブレーキキャリパーが具体的な要因です。結局のところ、ブレーキディスクの熱間特性および機械材料特性の両方にかなり高い要求を出しているのは、これらすべての理由なのです。

鉄道車両(中出力から低出力の制動力)のブレーキディスク用の摩擦リングは、片状黒鉛鋳鉄製です。大体のところ、材料は、走行速度によって選択されます。使用可能な材料は、ダクタイル鋳鉄ブレーキからアルミニウム鋳物や鋼鉄製ブレーキ、高速列車用セラミックブレーキまで様々です。また、材料の最終決定前に、制動馬力、制動エネルギー、総負荷、平均寿命も必ず考慮しなければなりません。

最近では、縦型および横型造型機で、高い寸法精度を得ることができます。自動注湯機を用いて鋳込みを行い、溶湯の充填過程において、注湯流接種を行うことが理想的です。コールドボックス法は、中子造型法として、ヨーロッパ市場で優位を占めています。鋳物の輪郭において最高の鋳肌を確保するため、塗型剤を塗布した中子が使用されます。

不十分な黒鉛形成、ひけ巣、ミクロポロシティー、ベーニング、ガス欠陥が、この製品群で最も頻発する欠陥です。

材料における黒鉛形成は、ブレーキディスクの挙動に大きな影響を及ぼします。好ましいA型黒鉛から大きく異なったりと短い尺状黒鉛が組み合わさると、好ましくないトライボロジー挙動(摩擦リング、ブレーキパッド、ディスク形状、ブレーキの状態の相互作用)や、ブレーキディスクの熱負荷の増加につながります。D型黒鉛および過冷黒鉛として知られている黒鉛は、ミクロ組織として満足できません。

高温の溶湯温度で注湯されると、中子および塗型剤の熱機械的負荷がここで極めて重要となります。さらに、サイクルタイム短縮のために中子型からの抜型が自動化されることに伴い、結果的に高い初期強度が求められることで、バインダーシステムにも高い要求となっています。バインダーシステムに水性塗型剤に対する高い耐性があることは、すでに基本的な要件となっています。個々の中子造型機の品質、自動化の程度、下流プロセスとの連携の点において、中子造型自体に高い要求が突きつけられています。

特にこの鋳造部品の製品群にとって、シミュレーションツールの使用は非常に重要です。この部品で必要なA型黒鉛は、冷却速度と鋳物の充填に大きく影響されます。これは、湯流れ凝固シミュレーションの評価で確認されています。適切な湯口と押湯技術が、セラミックフィルターと溶湯の充填中の最適な接種と相まって、欠陥のない鋳造部品を製造するため鋳物の限界まで引き上げることを可能にします。

ブレーキディスク鋳造法向けのシステムソリューション

厳しくなる環境仕様に継続して適合させるため、これまで中子生産プロセスに関する数々の規制が増加しています。そして、これらのプロセスは、通常コストのかかる手段を用いてのみ適用できます。無機中子バインダーシステムの使用は、排出ガスと臭気を低減するために適切な代替品であり、ASK Chemicalsと鋳造工場によって実行された基盤作りに導入されました。鋳鉄製ブレーキディスク中子は、改良されたINOTEC無機バインダーシステムで製造されました。それぞれのシステム特性に適応させるため、いくつかの試験で使用されたINOTEC促進剤に適応する塗型剤の選択を行いました。INOTECと製造パラメータの最適化は、鋳鉄品で成功した結果を基礎として、現在さらなる試験で継続されています。将来的にこの製造プロセスと合致する方法で、これらのバインダーを鋳鉄工場で使用できるようにするため、無機バインダーに対して信頼性のある工程を設計することが目標であることは明らかです。ASK Chemicalsは、従来の有機バインダー向けのシステムソリューションも提供しています。このソリューションでは、すべての成分が各鋳型材と原料だけでなく、既存の設備やシステム、そしてその周辺機器に合わせて調整されます。さらに、使用される塗型剤は、特にブレーキディスクの中子にとって非常に重要であるため、耐熱性の高い添加剤とともに、塗型剤もシステムソリューションに含まれています。

また、溶解材料において、ASK Chemicalsはパートナーと共に、鋳鉄鋳物で使用するための取鍋接種、注湯流接種、鋳型接種、ワイヤー接種、コンビネーションフィルター(鋳型接種とフィルター)の複雑な接種のシステム開発を継続して提供しています。

ASK Chemicalsの応用エンジニアおよび営業担当者は、お客様の生産プロセスにおいてムラのない鋳造品質を確保する方法について、お客様にアドバイスを提供いたします。これは、ご要望にかなう技術コンサルタント、システムの共同開発、プロセスの最適化によって行われます。

エンジンの鋳造のように、ASK Chemicalsの販売する製品も各国の鋳造工場で主に使用されている特殊砂と原材料に適合するよう改良が加えられています。我々の製品は、鋳造事業所と緊密に連携し、各国における用途と毎日の使用への適合性に合わせて矛盾なく調整されます。当然、これらはすべてドイツにも適用されます。

鋳造シミュレーションは、鋳込み中、工程で行われる様々な物理的プロセスをシミュレーションするためのツールです。ここで、物理的プロセスとは、主に湯流れ、凝固、および冷却時の残留応力の3つのプロセスを意味します。湯流れ凝固のプロセスを迅速かつ効率的に試験すること、ひけ巣とミクロポロシティーを防ぐこと、残留応力と歪みを最低限に抑えること、試作品とテストを軽減することが、これらの物理的なプロセスをシミュレーションする目的です。ASK Chemicalsのデザインサービスグループは、常にこのツールを使用し、お客様と協力し、その結果から開発のさらに次の段階に向けた結論を導き出します。

仕様要件と一致する鋳物品質を実現することが、すべてのプロジェクトの目標です。共同で進めることにより、鋳物や中子の製造から、溶解作業、そして接種、鋳込み、湯流れ、フィルタの適用まで、重要な相乗効果を生むことができます。全体の製造プロセス改善に向けた提案は、共同で開発、実施されます。最終的に、これは、生産に特化した製品すなわち鋳造部品に特化した製品が利用できることを意味します。