焼着

焼着の出やすい部位は、鋳型または中子の端部部です。これらの部位は鋳物の形状のために、金属が長時間液状にとどまり、鋳型材料が強く熱せられます。この欠陥は、すべての砂型プロセス(特に生砂プロセス)で製造された鋳物に、材料が何であるかに拠らず、溶湯と鋳型材料の成分との間の物理的/化学的相互作用の結果として発生します。

焼着とペネトレーションの密接な関係

金属と鋳型材料の反応の結果として、砂の焼着を導く、溶解相が発生します(図1および2)。特に合金鋼を注湯する際、この欠陥が頻繁に発生します。これは鋳物を肉眼で見て確認できます。銅/錫および銅/亜鉛合金でも、このおそれはあります。

本来のペネトレーションが物理的/化学的に発生するのに対し、焼着は化学的な条件下で発生するペネトレーションです。鋳物の表面に、個々のシリカサンドの粒によってできた薄い膜状の層が固着しているだけの状態は、まだ砂の焦げ付き(焼結)と呼ばれます。そこからさらに溶解した砂の層が重ねられて固着し、表面全体が吹き出もののような外観を呈してきたとき、これを焼着と呼んでいます(図3~5)。

ペネトレーションによる欠陥および焼着による欠陥は、明確に区別することができません。焼着が起こる前には、必ずペネトレーションと焼結の段階があります。どんな場合でも、このような欠陥が発生した場合、不良品として廃却するほどのものでなくても、仕上げにかかる手間は膨大なものになります。

原因

焼着の場合、ペネトレーション圧力(ペネトレーションの文書を参照)が、既存の溶湯の静圧よりもぬれ張力が小さくなり、それによって鋳物表面のペネトレーションが強まります。他方では、鋳型のキャビティ内および鋳型材料にある空気中の酸素が主な原因となって起こる、金属と鋳型材料の反応の結果として、溶解フェーズが発生し、珪酸塩層が生成されます(焼着)。

影響要因

シリカサンドも粘土分の崩壊生成物も、高温下では金属酸化物(FeOなど)を生成して反応し、以下の反応式によって溶解しにくいオルト珪酸塩を形成します:

2Fe + O2 = 2FeO

Al2 O3 • SiO2 + 4FeO _ 2(2FeO • SiO2) + Al2 O3
鉄かんらん石

生成される酸化鉄は金属としての鉄の成分よりも鋳型材料をしっかりとぬらし、それによって焼結および焼着きが強くなります。一般的には、金属と鋳型材料の反応の際は中間層が形成されることが予想されます。この時、反応相手の成分によって、ぬれや反応能力が異なります。先だって金属蒸気が侵入することで、焼着の傾向が強まります。マンガン鋼を製造する際に発生する酸化マンガンスラグは、たいへん反応性が強く、この材料の焼着の傾向を強めます。