新世代INOTEC ― 優れた鋳造性

Hilden(ドイツ)発 ― ASK Chemicalsは無機バインダーシステム“INOTECTM”を、新製品“INOTECTM TC 5000”および“INOTECTM HS 3000”を新たに開発し、一段と高性能化することに成功した。特に中子の崩壊性および耐湿性向上の面で目覚しい進歩を遂げた。

INOTECTM技術を使用することにより享受する利益は、無臭の中子造型や低臭鋳込みにとどまらず、造型機や金型の清掃が大幅に減少し、その結果生産性が向上することも大きな利益となる。また、この無機バインダーシステムは鋳造品の強度を高めるという利点もある。

改良された崩壊性と鋳肌

新たに開発されたプロモーターINOTECTM TC 5000は、前世代の差込み欠陥なし、鋳肌への砂付着無し、あるいは軽合金鋳物の鋳造における良好な中子崩壊性(図1)といった優れた特性を更に補完し、中子の抜型直後強度および貯蔵安定性を向上させる。以前においては、無機バインダーによる鋳造、特にウォータージャケット等の場合、中子砂の除去は難題であり、シェークアウトマシンの振動幅が限られている場合には殊更であった。INOTECTM TC 5000は、今や複雑かつ繊細なウォータージャケット中子といえども、この砂落し工程を容易なものとした。100%無機のバインダーシステムであるINOTECTMは金型に凝縮物の堆積物を残すことは皆無であり、また鋳造工程中、煙の発生もまったくない。

貯蔵安定性と耐湿性の向上

無機バインダー製中子は、特に夏場の高温高湿の日などにはその貯蔵安定性が大きな問題であった。新たに開発されたバインダーINOTECTM HS 3000は、中子の耐湿性を大幅に高めている。(図2)これは水性塗型剤を塗布しても安定な中子の製造が可能になったことを意味し、INOTECTMバインダーを鉄鋳物の鋳造用としても大きな関心の的となった。

ASK Chemicalsは、その開発ソリューションの数々を2015年6月16日から20日までDusseldorfで開催されるGIFAで発表する。

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