コールドボックス法による中子造型の領域において、塗型剤を使わなくて済めば、生産性の向上と高品質な鋳物の生産に寄与できます。無塗型鋳物とは、特に、添加剤と適切なバインダーを組み合わせて鋳肌を向上する方法を指し、この方法は、塗型工程の省略を可能にします。無塗型鋳物は、鋳造工場の材料および周辺設備(乾燥炉システム、塗型用パン等)両分野の原料費節減の可能性を広げます。無塗型鋳物を支持する中で最も重要な点は、ほぼ間違いなく、1つまたは2つの作業工程を省くことができるという事実です。塗型工程やそれに続く乾燥工程では時間と作業員を要します。だからこそ、これらの作業工程をなくすことで、生産性の向上が期待できるのです。また、塗型した中子の乾燥にかかる乾燥炉代が節約されるので、エネルギーコストも削減できます。さらに、アルコール系塗型剤は、労働安全法の観点から見ると、鋳造工場における潜在的危険性を意味します。このような材料を使わないということは同時に作業環境の安全性を高めることを意味します。
塗型剤は良質な鋳物づくりに大きく貢献するのですが、一連の製造工程における不具合の原因になり得るため、生産上およびそのソリューション上の問題になる場合を考慮しなければなりません。この不具合は、無塗型鋳物に切り替えることで解消できます。すくわれ、砂噛み等、塗型剤に関連した鋳物欠陥も、この方法で防ぐことができます。

添加剤使用の利点

  • クロマイト砂、ジルコニウム砂、シャモット砂等、高価な特殊砂を使う必要がない。場合によっては、これらの砂は砂添加剤で代用可能。
  • 安価な補助材料の使用がベーニング問題を解消。
  • 比較的少ない添加量。
  • ある条件下では、無塗型鋳物が可能。